1年生の鑑賞が“対話の時間”に変わりました。
クラウドを活かし、対話で学びを深めた図工鑑賞の実践記録。
実践の前提条件(リアルな状況)
- 学年:1年生(2学期当初)
- 教科・単元:図工「」(鑑賞)
- ICT環境:タブレット操作経験あり(ただし操作習熟は限定的)
- 1人1台端末環境あり
- 校内で教育DX推進中
本実践は、端末活用の是非を問うものではありません。
**「何を目的にして使うかを授業設計として選択する」**ことを意図した実践です。
導入|1年生の鑑賞は本当に深まるのか
図画工作の鑑賞は、低学年では「見て終わり」「感想を少し言って終わり」になりがちです。
しかし学習指導要領では、1・2年生の鑑賞においても
- 造形的な面白さや楽しさを感じ取る
- 表したいことや表し方を考える
- 自分の見方や感じ方を広げる
ことが求められています。
そこで本実践では、自分たちの作品を題材にした鑑賞活動を通して、
1年生でも主体的に学び合いながら見方・感じ方を広げられるのかを検証しました。
キーワードは次の2つです。
- 誰と学ぶかを選ぶ
- クラウドで視点を共有する
実践|「誰と・何で学ぶか」を選ぶ鑑賞授業
① 自分の作品の見どころを言語化する
まず鑑賞カードを配布し、自分の作品を見て次の2点を書きました。
- 一番工夫したところ
- 一番見てほしいところ
この時間を先に確保したことで、
話し合いで言葉が出ない児童の支援にもなりました。
② クラウドに作品と視点を提出
オクリンクプラスの提出ボックスを活用し、児童は2枚のカードを提出しました。
1枚目:作品写真
2枚目:見てほしい部分を赤で囲んだカード
これにより、授業中いつでも友達の作品と視点を見られる環境が整いました。
個々が本実践の重要なポイントです。
作品だけでなく「見る視点」も共有されたのです。
③ ペア鑑賞で対話の型を学ぶ
自由鑑賞の前に、まずはペアで紹介し合う時間を設定しました。
教師はモデルとして、
・〇〇が〇〇しているように見えた
・色の重なりがきれい
など、造形的な見方・考え方につながる言葉を提示しました。
全員が「紹介する」「記録してもらう」
経験を保障したことで、その後の活動が一気に活性化しました。
「情報を探し出す経験」そのものを重視した判断です。
④ 学び方を自分で選ぶ自由鑑賞
その後、児童は学び方を自分で選択しました。
誰と学ぶか
- 1人で
- ペアで
- グループで
- 先生と一緒に
※今回「先生と一緒」には誰も選びませんでした。
何で学ぶか
- 直接対話で鑑賞
- タブレットで鑑賞
⑤ 実際に見られた学びの姿
1人で学ぶ児童
クラウド上の作品を見ながらカードを記入し、必要に応じて友達に質問。
ペアで学ぶ児童
隣同士で作品を紹介し合い、さらに他の友達の席へ移動して対話。
グループで学ぶ児童
4〜5人で集まり、
「不思議なところ」「面白いところ」を質問し合う姿が見られました。
教師が主導せずとも、児童同士の学び合いが成立していました。
成果|1年生の言葉が変わった瞬間
授業後、子どもたちの言葉は明らかに変化しました。
- 色や形に注目して話す
- 友達の視点に驚く
- 自分の作品を説明しようとする
「そんな見方もあるんだ」
という言葉が自然に生まれ、
見方・感じ方が広がる瞬間が何度も見られました。
クラウドによる視点共有は、
鑑賞のハードルを大きく下げる手立てになりました。
課題と今後
今回は自由鑑賞の時間配分に課題が残りました。
今後は鑑賞の視点を段階的に提示し、
さらに見方を広げていきたいと考えています。
この実践から見えてきたこと
本実践から得られた気付きは大きく2つです。
① 学び方を選べば主体的な対話は生まれる
② クラウドは鑑賞の可視化に極めて有効
低学年でも
選択 × 可視化 によって対話的な学びが成立することを実感しました。
1年生でも、
自分の作品を語り、友達の作品から学ぶことは十分に可能です。
クラウドは作品を集める道具ではなく、
見方を広げるための道具でした。
図工の鑑賞は、もっと対話的な学びにできる。
その可能性を強く感じた実践でした。
次につながる視点
この実践は、
- 他の図工単元
- ICTを活用した振り返り
- 学び方の選択を広げる環境づくり
へとつながっていきます。
(※関連記事はこの下にまとめています)
最後に
今回の実践を読んで、
「これは、どうなのか?」や
「ここは、どういう意図?」、
「もっとこうしたら・・」などのご意見がありましたら
ご自由にコメントにいただければと思います。
あなたの意見で、私の授業が変わります。
そして、子どもの学びが変わります。
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