1年生ICT実践の成功と課題を記録
成功体験の積み重ねから、教科横断的な学びに結びつけた授業実践を綴ります。
実践の前提条件(リアルな状況)
- 学年:1年生(2学期当初)
- 教科・単元:生活「生き物となかよし」→ 国語「」
- ICT環境:タブレット操作経験あり(ただし操作習熟は限定的)
- 1人1台端末環境あり
- 校内で教育DX推進中
本実践は、端末活用の是非を問うものではありません。
導入|1時間で完結しない低学年ICTの現実
1年生のICT活用では、
タブレット操作の指導だけで授業が終わってしまうことも珍しくありません。
1時間の中で「課題設定→探究→表現→振り返り」の探究のプロセスを完結させることは難しく、学びはどうしても断片的になりがちです。
そこで本実践では、
単元の進行に合わせて断続的に探究のプロセスの要素を組み込む形で、
生活科と国語を横断した学びを設計しました。
また、
1年生の生活科では、
身の回りの自然と関わる活動が多くあります。
タブレットで写真を撮る活動も取り入れやすい一方、
「撮って終わり」になりやすいという課題を感じていました。
そこで、
生活科での体験を国語の学習へと接続し、
学びが循環する授業づくりを目指しました。
実践①|生活科の流れ
① 気付きから始まった「生き物クイズ」
授業は児童の何気ない発言から始まりました。
「セミが木の上で鳴いているのを見たことがある」
「ダンゴムシは石の下にいるかも」
こうした気付きから、校庭の生き物をタブレットで撮影し、生き物クイズを作る活動が決まりました。
児童からは「見つけたときの驚きをクイズで伝えたい」という声が自然に上がりました。
② ルーブリックによる課題決定と撮影活動
まずルーブリックを用いて、自分の課題を決定しました。
その後、校庭に出て生き物を探し、オクリンクプラスのカメラ機能で写真撮影を行いました。
撮影した写真はカードとして作成し、提出ボックスに提出しました。
※しかし、ここでトラブルも発生しました。
保存できず撮り直しになるケースがあり、ICT環境の難しさを実感しました。
③ 国語と接続するためのクイズカード作成
生活科の活動は、国語「誰が食べたのでしょう」と接続しました。
児童はタブレット上で次の3枚のカードを作成しました。
・問題カード
・答えカード
・説明カード
教師が枠を用意し、写真貼付やタイピング入力で完成させました。
モデルを提示し、完成形をイメージさせてから作業に入りました。
問題カード
「どこにむしはいるでしょう。」+写真
→虫の種類を自分で変更する児童も現れました。
答えカード
「正解は○○です。」
→写真に赤丸で位置を示す。
説明カード
「○は○で○○をしていました。」
→観察内容を文章化。
3枚を連結し提出しました。
④ 想定外だった「個別作業」の選択
本来は「誰と学ぶか」を選択させる予定でした。
- 1人で
- ペアで
- グループで
- 先生と一緒に
しかし児童から、
「友達と作ると答えが知られてしまう」
という意見が出て、多くが同意。
結果、全員が個別制作となり、教師の机間指導の負担が急増しました。
⑤ クイズ大会の実施
グループで画面を見せながら出題し、
全員が複数回回答できる機会を保障しました。
さらに質問タイムを設け、
生き物の特徴について質問し合いました。
児童は写真を見ながら、
・どこに虫がいるでしょう?
・何の虫でしょう?
といったクイズを発表しました。
この活動により、単なる記録が「誰かに伝える学び」へと変化しました。
最後は全体発表を行い、振り返りで自己評価を実施しました。
(記述はタイピング負担を考慮し今回は実施せず)
ここまでで生活科単元は一区切りです。
実践② 国語の流れ
生活科での経験をもとに、国語単元のまとめとして動物クイズ作りを行いました。
①図書資料を使った情報収集
児童は図書資料から出題したい動物を選び、特徴を問題化しました。
カード構成は生活科と同様の3枚です。
①体の一部を拡大した問題カード
②全体写真の答えカード
③説明文カード
作成手順
- 図書資料から動物写真を撮影
- カード複製→トリミングで問題用画像作成
- 説明文作成
- 順序を考えて提出
ここでは
- 情報選択
- 順序構成
- タイピング
が必要となり、活動の難易度が上がりました。
②国語でのクイズ大会
作成したクイズは、国語の時間にクイズ大会として実施しました。
生活科と同様にグループで出題し合いました。
クイズ大会では、
- 問題を出す
- 理由を説明する
- 答えを聞く
という言語活動が自然に生まれました。
生活科の体験が、国語の「話す・聞く」活動へとつながった瞬間でした。
今回はタブレットのタイピング記述による振り返りまで実施しました。
成果|学びの循環が生まれた
実践を通して、次のような変化が見られました。
① 伝える目的が生まれた
「写真を撮る理由」が明確になり、児童が意欲的に活動に取り組む姿が見られました。
② 体験と言語活動が結びついた
生活科での体験が、国語の言語活動として再活用されました。
体験→表現→言語活動がつながった
③ 教科横断により学習意欲が向上
教科を横断した学びのつながりを実感しました。
また、情報選択や順序構成の力が育った
④ クラウド活用の価値を実感
児童のクイズを共有することで、友達の考えに触れる機会が増えました。
学びが単発で終わらず、循環し始めたことが最大の成果でした。
反省・課題:低学年ICTの壁(準備が想像以上に大変だった)
一方で、課題も明確になりました。
1年生のICTスキル差が大きい
・ログイン
・写真提出
・操作理解
これらの支援に多くの時間が必要でした。
事前準備が授業の質を左右する
クラウド環境の整備や操作練習など、事前準備が授業の成否を大きく左右することを実感しました。
タブレット操作指導の手際の悪さ 🟰 ICT操作が学習の障害になる
操作習得に時間がかかり、内容の深まりが不足する場面がありました。
課題設定の難しさ
生活科の見方・考え方に沿ったルーブリック設定が不十分でした。
低学年に適した課題難易度の調整の難しさを痛感しました。
指示過多による混乱
操作と内容を同時に指示したことで、理解が追いつかない児童が多数いました。
この実践から見えてきたこと
本実践を通して、低学年ICT活用の手応えと難しさの両方を実感しました。
特に感じたのは、低学年ICTは準備が9割であるということです。
丁寧な準備があれば、1年生でも
・体験
・表現
・言語活動
をつなげた学びが成立します。
今後も、教科をつなぐICT活用を模索していきたいと考えています。
次につながる視点
この実践は、
- 教科横断的な学習
- ICTを活用した振り返り
- 学び方の選択を広げる環境づくり
へとつながっていきます。
(※関連記事はこの下にまとめています)
最後に
今回の実践を読んで、
「これは、どうなのか?」や
「ここは、どういう意図?」、
「もっとこうしたら・・」などのご意見がありましたら
ご自由にコメントいただければと思います。
あなたの意見で、私の授業が変わります。
そして、子どもの学びが変わります。
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