個別最適な学びは、どこまで個別なのかー問いをもつための疑問ー

教育を考える
この記事は約4分で読めます。

「一人ひとりに合った学び」とは


「個別最適な学び」という言葉を聞く機会が増えました。
学習指導要領、教育政策、教育DX――さまざまな場面で登場します。

一人一台端末の普及とともに、
「一人ひとりに合った学び」が現実味を帯びてきました。

けれど、教室に立っていると、ふと立ち止まる瞬間があります。

個別最適な学びは、どこまで個別なのでしょうか。

今回はこの問いから考えてみたいと思います。

「個別最適」という言葉の広がり


個別最適な学びという言葉は、以前から存在していました。
しかし、GIGAスクール構想以降、その存在感は一気に大きくなりました。

・一人ひとりの進度に合わせる
・理解度に応じて課題を変える
・興味関心に応じた学習

こうしたイメージは、デジタル環境ととても相性がよいものです。

だからこそ、
個別最適な学び=ICT活用
という印象を持つことも増えてきました。

けれど、この言葉が意味しているのは、
本当にそれだけなのでしょうか。

教室は「集団」でできている


学校の授業は、基本的に集団で行われます。
時間割があり、学級があり、同じ教室で同じ時間を過ごします。

つまり学校は、
集団を前提とした仕組みの上に成り立っています。

ここに、個別最適という言葉が入ってくると、少し不思議な感覚が生まれます。

集団の中で、どこまで個別にできるのか。
この問いは、想像以上に大きなテーマなのかもしれません。

「一人ひとり違う」は当たり前


教室を見渡すと、子どもたちは本当にさまざまです。

理解の速さ
得意不得意
興味関心
集中できる時間

同じ授業を受けていても、
頭の中で起きていることは一人ひとり違います。

そう考えると、個別最適な学びは特別なものではなく、
本来当たり前に目指してきたこととも言えます。

では、何が変わったのでしょうか。

変わったのは「できること」


以前から個に応じた指導は大切にされてきました。
補充問題、発展課題、少人数指導。

しかし現実には、時間や人手の制約がありました。

今は違います。
デジタル環境によって、できることが増えました。

・課題の配布が瞬時にできる
・進度の把握がしやすい
・記録が残る
・共有が簡単になる

個別最適な学びが語られるようになったのは、
理想が変わったからではなく、実現可能性が高まったからなのかもしれません。

個別にすると、孤立する?


ここで新しい疑問が生まれます。

個別最適な学びが進むほど、
子どもは一人で学ぶ時間が増えるのでしょうか。

それは本当に望ましい姿なのでしょうか。

学校は学ぶ場所であると同時に、
人と関わる場所でもあります。

個別に最適化された学びと、
共に学ぶ経験。

この二つは、どのように両立するのでしょうか。

個別最適と協働は対立しない


学習指導要領では、
「個別最適な学び」と「協働的な学び」は
一体的な充実として示されています。

つまり、どちらか一方ではありません。

個別最適な学びは、
一人で学ぶことを増やすためではなく、
よりよく学び合うための土台なのかもしれません。

自分の考えを持つからこそ、対話が生まれる。
理解が深まるからこそ、協働が意味を持つ。

そう考えると、個別最適はゴールではなく、
協働へ向かう途中にあるものにも見えてきます。

個別最適な学びの「ちょうどよさ」


ここまで考えても、
「どこまで個別にするべきか」という答えは見つかりません。

完全な個別化なのか。
集団中心なのか。

きっと、そのどちらでもないのだと思います。

大切なのは、
その時の子どもたちにとってのちょうどよさを考え続けること。

個別最適な学びは、
完成形がある概念ではなく、
バランスを探し続ける営みなのかもしれません。

この問いを持ち続けたい


個別最適な学びという言葉は、これからも広がっていくと思います。
ICTの進展とともに、できることも増えていくでしょう。

だからこそ、
どこまで個別なのか。
どこから協働なのか。

この問いを持ち続けながら、
教室での実践を重ねていきたいと思います。

気になるところから、読んでみてください

一つの問いから、また別の問いが生まれていきます。
よければ、こちらの記事もあわせて読んでみてください。

個別最適な学びを考えることは、教育DXの意味を問い直すことにもつながります。☝️

個別最適な学びという言葉も、学習指導要領の中から生まれています。。☝️

個別最適と協働のバランスは、授業改善の中心的なテーマなのかもしれません。☝️

合わせて読みたい

教材研究や授業実践について、現場での試行錯誤を含めた「リアル」をまとめています。☝️

  授業・働き方・学び方を少しずつ変える実践と思考についてまとめています。☝️

   日々の実践や思考を「発信」という形でどう残していくかを扱っています。☝️ 

SNSフォローボタン

yomemiblogをフォローする

yomemi

小学校教員|教育DXと1年生授業を実践・発信。▼プロフィールはこちら
yomemiblog

小学校教員|教育DX|小1実践
 日々の暮らしや子育ての中で、考えたこと・立ち止まったことを綴っています。

すぐに答えが出ないことも、書くことで少しずつ整理できる気がして、ブログという形を選びました。

 ICT機器やアプリ、デスク環境など、日々の工夫も記録しています。同じように、日々の忙しさの中で立ち止まりながら考えている方に向けて書いています。

 感想やご質問などあれば、気軽にコメントやお問い合わせからお寄せください。

yomemiblogをフォローする

コメント

タイトルとURLをコピーしました