「ICTがあれば、個別最適な学びは実現できる」
正直に言うと、私も最初はそう思っていました。
・1人1台端末
・クラウド
・デジタルドリル
・AI教材
環境は確実に整いました。
「これで一人一人に合った学びができる」と、本気で期待していました。
でも、現場で授業を回し始めてすぐに気づきます。
端末があっても、
授業は自動では変わらない。
むしろ最初に起きたのは、こんな状況でした。
・早く終わる子は暇になる
・遅い子はさらに置いていかれる
・先生は個別対応で疲弊する
「個別最適な学びって、むしろ難しくなってない?」
そう感じた人は多いと思います。
この記事では、実践を通してはっきり分かったことを書きます。
結論から言うと──
個別最適な学びを支えていたのは、ICTではありませんでした。
授業設計でした。
ICTだけでは「個別化」は起きない
1人1台端末が入った直後、
多くの授業で最初に起きた変化はこれでした。
「全員が同じ教材を端末でやる授業」
・紙 → デジタル
・黒板 → スライド
・ドリル → デジタルドリル
形は変わりました。
でも本質はほぼ同じでした。
つまり、
一斉指導のデジタル化
です。
ここで多くの人が気づきます。
「個別最適って…どうやるの?」
ICTは個別化を可能にする道具です。
でも、
個別化を自動で起こしてくれる装置ではない。
ここが大きな誤解でした。
一番衝撃だった出来事
ある授業でのことです。
デジタルドリルに取り組ませていました。
個別最適のつもりでした。
でも、ある子がぽつりとこう言いました。
「先生、次なにすればいいの?」
画面には問題が表示されています。
選べる課題もあります。
それでも、その子は止まっていました。
その瞬間、はっとしました。
個別に課題があることと、
自分で学べることは別なんだ。
個別最適を止めていたもの
振り返ってみると、
個別最適な学びを止めていたのは
ICTではなく授業の前提でした。
- 全員同じ課題
- 全員同じ進度
- 全員同じゴール
この前提のままでは、
ICTは「便利なノート」以上になりません。
授業設計を変えたときに起きた変化
授業を改善していく中で、
個別最適がうまく回り始めた授業には共通点がありました。
それは、ICTではなく授業構造でした。
個別最適が機能した授業には、必ず次の3つがありました。
① 学習のゴールが明確
② 学習の進め方が選べる
③ 自分の状況が見える
ここで初めて、ICTが力を発揮します。
逆に言うと、
この設計が無い状態でICTを入れると、
・自由すぎて迷う
・差が広がる
・管理が大変
という状態になります。
個別最適は「端末の数」で決まらない。
「授業の構造」で決まる。
これは現場での実感です。
変えたのはICTではなく授業の順番
そこから、ICTの使い方ではなく
授業の流れを見直しました。
それまでの授業
説明 → 練習 → まとめ
変えた授業
課題確認 → 自分で進める → 必要な支援 → 振り返り
すると、不思議なことが起きます。
・動画を見る子
・友達と相談する子
・発展問題に進む子
同じ教室で、違う学びが動き始めました。
そのとき初めて思いました。
「あ、これが個別最適かもしれない」
ICTの本当の役割
授業設計が変わったとき、
ICTの見え方も変わりました。
ICTは個別最適な学びを「生み出す」のではなく、
支える道具でした。
- 情報にすぐアクセスできる
- 表現方法を広げられる
- 進度の違いに対応できる
授業設計が変わった瞬間、
ICTは力を発揮し始めました。
まとめ
個別最適な学びは、ICTから始まるのではありません。
課題をどう設計するか。
学び方をどう選べるようにするか。
その上で、ICTが支える。
順番は逆でした。
授業設計 → ICT活用
この順番が見えたとき、
個別最適な学びは少し現実に近づいた気がします。
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