学習指導要領は「現場でどう使われているのか」

教育を考える
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現場との距離


学習指導要領という言葉は、教育ニュースや研修資料の中で頻繁に登場します。
「主体的・対話的で深い学び」「個別最適な学び」「資質・能力の育成」――
教育に関わるキーワードの多くは、学習指導要領と結びついて語られています。

けれど、教室に立っている日常の中で、
「今日の授業は学習指導要領に基づいて行っている」と強く意識する瞬間は、
それほど多くないようにも感じます。

学習指導要領は、現場で本当に使われているのでしょうか。
そして、もし使われているとしたら、どのように使われているのでしょうか。

今回はこの問いから、
学習指導要領と現場の距離について考えてみたいと思います。

学習指導要領は「遠い存在」に感じる


多くの先生にとって、学習指導要領にしっかり向き合う機会は限られています。
改訂のタイミング、研究授業、校内研修、評価計画の作成――。
必要な場面では確かに読むものの、日常的に開き続けているわけではありません。

普段の授業づくりの会話の中で、
「学習指導要領にこう書いてあるから」という言葉が頻繁に交わされるかというと、そうでもない。

むしろ現場では、こんな言葉の方がよく聞かれます。

  • この単元、どう進める?
  • この教材、どう扱う?
  • この子たちに合うやり方は?

授業づくりの中心にあるのは、
子ども・教材・時間・そして現実です。

学習指導要領は重要なはずなのに、
日常会話の中心には現れにくい。
ここに、最初の小さな違和感があります。
どちらかを選ばなければいけないと思っていました。

それでも授業は、学習指導要領でできている


しかし少し視点を引いてみると、
私たちの授業は確実に学習指導要領の上に成り立っています。

年間指導計画
単元計画
評価規準
通知表

これらはすべて、学習指導要領を根拠として作られています。

つまり現場は、
意識していなくても学習指導要領の中で動いているとも言えます。

ここで見えてくるのは、
「使っていない」のではなく、
意識しない形で使っているという状態です。

学習指導要領は、授業の外側では確かに機能している。
けれど授業の内側では、存在感が薄くなる。
この二重構造が、距離感を生んでいるのかもしれません。

学習指導要領は「授業の手引き」ではない


ここで改めて考えたいのが、学習指導要領の役割です。

学習指導要領は
指導案集でもなければ、教材集でもありません。
授業手順書でもありません。

学習指導要領が示しているのは、
何を教えるかではなく、何を育てるかです。

方法ではなく方向。
手段ではなく目的。

この視点に立つと、
「学習指導要領をどう使うのか」という問いの意味が少し変わってきます。

授業のやり方を探すための本ではなく、
授業の向かう先を確認するための基盤。
そう考えると、その位置づけが見えやすくなります。

現場で起きているズレ


現場でよく起きるのは、次のようなズレです。

学習指導要領
→ 育てたい資質・能力を示す

現場の会話
→ 授業のやり方を探す

目的と方法のレイヤーが違うのです。

だからこそ、
学習指導要領が直接「使われている感覚」が薄くなる。

けれど実際には、
授業づくりの最上流には常に存在している。

この距離感こそが、
学習指導要領が「遠くて近い存在」に感じられる理由なのかもしれません。

自分の中で起きた変化


以前は、学習指導要領は
「守るもの」「確認するもの」という認識が強くありました。

けれど最近は、少し見え方が変わってきました。

学習指導要領は、授業を縛るものではなく、
授業を自由に考えるための土台なのではないか。

ゴールが共有されているからこそ、
方法は現場に委ねられている。

そう考えると、
学習指導要領は「使うもの」というより、
立ち返るものなのかもしれません。

学習指導要領は「どう使われるべきなのか」


教ここまで考えても、明確な結論が出たわけではありません。

むしろ残ったのは、新しい問いです。

学習指導要領は
現場で「どう使われているか」だけでなく、
これからどう使われていくべきなのか。

忙しい日々の中で立ち止まり、
その意味を考える時間を持つこと自体に、
小さな価値があるのかもしれません。

この問いは、もう少し考え続けていきたいと思います。

気になるところから、読んでみてください

「学習指導要領」と同じように、教育DXも現場では別の形で受け止められているのかもしれません。☝️

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