授業前に生まれる「迷い」
「この場面、タブレットを使った方がいいのかな。」
授業準備をしていると、ふと迷う瞬間があります。
ICTが身近になった今、多くの先生が一度は感じたことがあるのではないでしょうか。
使った方が良さそうな気もする。
でも、使わなくても授業は成立する。
むしろ準備や操作に時間がかかるかもしれない。
気づけば、こんな思考が頭の中をぐるぐる回ります。
・今日は使うべき?
・使わない方がいい?
・使わないと遅れている?
ICTが選択肢として増えたことで、授業づくりの自由度は確実に広がりました。
その一方で、「判断の迷い」も増えました。
そして多くの場合、この迷いは明確な基準がないことから生まれます。
この記事では、授業でICTを使うか迷ったときに立ち返れる
シンプルな判断基準を整理していきます。
判断基準がないと起きること
ICTは「使ってもいいし、使わなくてもいい」ものです。
だからこそ、判断の軸がないと授業づくりが不安定になりやすくなります。
例えば、こんな状態に心当たりはないでしょうか。
・とりあえず使ってみる授業が増える
・逆に、迷って結局使わなくなる
・学年や教科で使い方がばらばらになる
どれも珍しいことではありません。
むしろ、ICT導入期には自然に起きやすい現象です。
問題は、「使うこと」そのものが目的になってしまうことです。
ICTを使った授業は、見た目に変化が出やすく、印象にも残りやすい。
そのため、いつの間にか
使うこと=良いことのように感じてしまうことがあります。
しかし本来、授業で最も大切なのは
子どもの学びがどう深まるかです。
ICTはあくまで手段。
だからこそ、「使うかどうか」を毎回悩む必要はありません。
迷ったときに立ち返れる、シンプルな判断基準を持てばよいのです。
次のパートでは、その判断基準を3つに整理します。
ICTを使うか迷ったときの「3つの判断基準」
迷ったときは、次の3つの視点だけを確認します。
すべてを考える必要はありません。シンプルで十分です。
① 学びは「広がる」か?
ICTは、情報にアクセスしたり、表現方法を増やしたりする力があります。
- すぐに資料を調べられる
- 写真・動画・音声で表現できる
- 多様な考えに触れられる
もしICTを使うことで、
子どもの考え方や表現の幅が広がるなら、使う価値があります。
逆に、広がりが生まれないなら無理に使う必要はありません。
② 思考は「深まる」か?
ICTは、考える時間を増やしたり、試行錯誤をしやすくしたりします。
- 書き直しや修正がしやすい
- 途中の考えを残せる
- 友達の考えと比較しやすい
もしICTを使うことで、
考える回数や試行錯誤が増えるなら、使う意味があります。
ただし、操作に時間を取られて思考が止まるなら逆効果です。
③ 時間は「生まれる」か?
これは意外と重要です。
- 配布や回収が早くなる
- 共有が一瞬で終わる
- 集計や整理が簡単になる
ICTによって学びに使える時間が増えるなら、十分な理由になります。
時間が減るなら、今回は使わなくて大丈夫です。
迷ったら、この3つだけ。
広がるか・深まるか・時間が生まれるか
どれか一つでも当てはまれば、ICTを使う価値があります。
具体例:使う授業・使わない授業
判断基準は分かっても、実際の授業場面を想像できないと使いにくいものです。
ここでは、同じ学習でも「使うと良い場面」「使わなくてよい場面」を対比してみます。
例①:考えを共有する場面
ICTを使うと良い場面
- 全員の考えを一度に共有したい
- 多様な考えを比べたい
- すぐに全体で検討したい
→ 写真投稿・共有ボード・クラウド提出など
→ 「広がる」「時間が生まれる」が当てはまる
使わなくてもよい場面
- 少人数での対話が中心
- その場のやり取りを大切にしたい
- 黒板で十分整理できる
例②:資料を読む・調べる場面
ICTを使うと良い場面
- 複数の資料を比較したい
- 画像・動画があると理解が深まる
- 子どもごとに調べる内容が違う
→ 「広がる」「深まる」が当てはまる
使わなくてもよい場面
- 短い文章を全員で読む
- 同じ資料をじっくり扱う
- 紙の方が集中しやすい
例③:まとめ・振り返り
ICTを使うと良い場面
- 途中の変化を残したい
- 次の授業につなげたい
- すぐに共有・蓄積したい
→ 「深まる」「時間が生まれる」が当てはまる
使わなくてもよい場面
- ノートにじっくり書くこと自体が目的
- 手書きの良さを活かしたい
こうして見ると、ICTは「毎回使うもの」でも「使わないもの」でもありません。
学びに合う場面で選ぶものです。
まとめ:ICTは「使う授業」を選ぶものではない
授業でICTを使うか迷うのは、とても自然なことです。
選択肢が増えたからこそ、判断が必要になりました。
迷ったときは、この3つだけ確認します。
学びは広がるか。
思考は深まるか。
時間は生まれるか。
どれか一つでも当てはまれば、使う価値があります。
当てはまらなければ、無理に使う必要はありません。
ICTは「使う授業」を目指すものではなく、
学びに合った方法を選ぶための選択肢です。
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