どう使うか
教育DXに取り組み始めた頃、私はずっと「どう使うか」を考えていました。
- どのアプリが良いか
- どんな機能が使えるか
- どの場面で活用できるか
「使える場面」を探すことが、前向きな姿勢だと思っていたからです。
でも、ある時期から授業づくりの中で、別の問いが生まれました。
「これは、本当に使う必要があるのか?」
教育DXを続けてきて、いちばん変わったのはここでした。
なんでもICTに置き換えていた頃
端末が整備された直後は、
とにかく使うことが正解だと思っていました。
ワークシート → デジタル化
発表 → スライド化
振り返り → フォーム化
紙でやっていたことは、基本すべて置き換える。
それが「前に進んでいる感」をくれました。
でも、しばらくすると違和感が出てきます。
- 早く終わるはずが時間がかかる
- 活動は増えたのに理解が深まらない
- 授業後の疲労感が大きい
授業は確かに変わりました。
でも、良くなった実感が薄い。。
ある授業での出来事
算数の練習問題の時間。
子どもたちは端末を開き、問題を解いて提出。
自動で回収され、一覧で確認できる。
便利です。とても。
でも、その日の授業後に思いました。
紙でやっていた頃の方が、
子どもたちは集中していた気がする。
- 端末を開く
- アプリを開く
- 入力する
- 送信する
小さな操作が積み重なり、
思考が途切れている感覚がありました。
ここで初めて、こう考えました。
「今日は紙の方が良かったのでは?」
初めて「使わない」を選んだ日
次の時間、同じような練習問題を出しました。
でも今回は端末を使いませんでした。
紙のプリント。
鉛筆。
消しゴム。
それだけ。
すると、教室の空気が変わりました。
- 問題に向かう時間が早い
- 手が止まらない
- 解き直しが自然に起こる
ICTを使っていないのに、
学びは確実に良くなっていました。
そのとき気づきました。
ICTを使うことが目的になっていた。
「使う」か「使わない」かの基準
それ以降、授業づくりに新しい基準が生まれました。
ICTを使う条件はシンプルです。
紙では難しいことができるか?
これだけ。
- 全員の意見を一瞬で集めたい → 使う
- 変化を記録したい → 使う
- 比較・共有したい → 使う
でも、
- 書いて考える
- 計算を繰り返す
- 集中して読む
こういう場面では、無理に使わない。
「使わない判断」が授業を軽くした
不思議なことに、「使わない」と決められるようになってから、授業が楽になりました。
- 準備が減る
- トラブルが減る
- 子どもの集中が続く
そして何より、
ICTを使う場面がはっきりしてきた。
使うときの効果が、はっきり見えるようになりました。
教育DXは「選べる状態」
教育DXという言葉を聞くと、
「どんどん使うこと」が目的に見えます。
でも実際に変わったのはそこではありませんでした。
使う/使わないを選べるようになったこと。
これが、いちばん大きな変化でした。
おわりに
「使えるか」を考えていた頃は、
授業にICTを足していました。
「使わない」を考え始めてから、
授業を整えるようになりました。
教育DXは、
ICTを増やすことではなく、
選択肢を増やすこと。
そして時には、
使わない勇気が授業を良くします。
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