【教材研究、どこから考えていますか?|授業づくりがうまくいかない日の思考メモ】
何かが違った
その日は、国語の物語文の授業でした。
導入は予定通り。
発問も板書計画も準備済み。
「主人公の気持ちはどのように変化しましたか?」
子どもたちは教科書に目を落とし、
線を引き、ノートに書き始めます。
数人が手を挙げ、
想定していた言葉が黒板に並ぶ。
授業は、整っていました。
でも——
どこか静かすぎる。
発言はあるのに、
教室に“揺れ”がない。
子ども同士が考えをぶつけ合う感じがない。
私は黒板の前に立ちながら、
うまくいっているはずなのに、
うまくいっていない感覚を抱えていました。
授業が終わったあと、
ノートにこう書きました。
今日の授業は、
進んだ。
でも、深まらなかった。
そこから、教材研究を振り返る時間が始まりました。
完成された実践ではありません。
むしろ、迷っている途中の記録です。
うまくいかなかった日の違和感
その日の授業は、流れとしては整っていました。
・導入で問いを提示
・個人思考
・交流
・全体共有
・まとめ
型としては崩れていない。
けれど、子どもの言葉が深まらなかった。
意見は出る。
でも、考えが動いていない。
授業が「進行」になっていた。
「探究」にはなっていなかった。
教材研究、私はどこから考えていたのか
授業後にノートを開いて、こう書きました。
今日の問いは、
教材から生まれた問いだったか?
それとも、指導書から選んだ問いだったか?
振り返ると、
私は「流れ」から考えていました。
・どんな発問を置くか
・どこで交流を入れるか
・どうまとめるか
つまり、授業の構造から考えていた。
でも、本来立ち返るべきはそこではなかった。
子どもは、どこで立ち止まるのか
教材研究の出発点は、
「この教材のどこで、子どもは揺れるか」
だと思っています。
・迷うところ
・意見が割れそうなところ
・価値観がぶつかりそうなところ
そこに目を向けないまま、
“うまく回る授業”を設計していた。
だから、子どもは考えなかった。
正確には、
考えなくても進める授業になっていた。
問いは、授業の飾りではない
問いをつくるとき、
私はつい「答えに向かう問い」を作ってしまいます。
・まとめに回収しやすい問い
・評価しやすい問い
・板書に整理しやすい問い
でも、本当に必要なのは、
子どもが一度立ち止まる問い。
すぐには答えが出ない問い。
迷いが生まれる問い。
授業がうまくいかなかった日は、
問いが“安全すぎた”のだと思います。思います。
教材研究の順番を変えてみる
それ以来、私はこんな順番で考えるようにしています。
① この教材で子どもはどこで揺れるか
② その揺れをどう言葉にできるか
③ その揺れを深める問いは何か
④ そのあとで、授業構造を考える
最初に構造を考えない。
まずは、教材と子どもの間に
どんな摩擦が起きそうかを見る。
ここを飛ばすと、
授業は整うけれど、深まらない。

うまくいかない日は、実は大事な日
授業がうまくいかなかった日は、
落ち込みます。
でも、その違和感こそが
教材研究を問い直すチャンスだと感じています。
・問いが安全すぎなかったか
・子どもの揺れを見落としていなかったか
・構造づくりに逃げていなかったか
完成された実践ではなく、
揺れながら考え続ける過程。
それを残しておくことが、
次の授業を少しだけ前に進めてくれます。
最後に
教材研究、どこから考えていますか?
構造からでしょうか。
評価からでしょうか。
単元目標からでしょうか。
どれも大切です。
でもときどき、
「子どもは、どこで立ち止まるか」
そこから始めてみると、
授業の景色が少し変わります。
この記録が、
あなたの授業づくりを見つめ直すきっかけになればうれしいです。
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