どう共有するか
ICTの話題になると、自然と問いは一つに集まります。
「どう活用するか。」
どのツールを使うか。
どんな場面で使うか。
どうすれば効果的に使えるか。
活用を考えることは、とても重要です。
けれど、その前提にあるものを、私たちはあまり言葉にしていません。
「使わない」という選択です。
使う前提が当たり前になっている
教育DXが進む中で、
ICTは「使うもの」という前提が強くなりました。
・活用事例が共有される
・研修で使い方を学ぶ
・実践が評価される
その流れの中で、問いは自然と「どう使うか」になります。
しかし、教室では日々選択が行われています。
・今日は紙でやる
・今回は口頭で進める
・この単元では使わない
こうした判断は確かに存在しています。
それでも、それが共有されることはほとんどありません。
「使わなかった理由」は言葉になりにくい
活用事例は共有されます。
成功した実践は紹介されます。
では、使わなかった判断はどうでしょうか。
・時間が足りなかった
・目的に合わなかった
・子どもの実態に合わなかった
こうした理由は確かにあります。
しかし、それが語られる場面は多くありません。
なぜなら、「使わなかった」は成果として扱われにくいからです。
結果として、共有されるのは「使った実践」だけになります。
共有されないと、選択ができなくなる
ここで小さな変化が起きます。
使った事例だけが見える。
すると、使うことが前提になる。
前提になると、使わない選択が難しくなる。
誰も「使わない」と言っていないのに、
言いにくくなる空気が生まれます。
これは決して誰かの意図ではありません。
共有の偏りから生まれる、自然な流れです。
「使わない判断」は消極的ではない
本来、使わない判断は消極的なものではありません。
・目的に合う方法を選ぶ
・子どもに合う方法を選ぶ
・時間配分を考える
これは授業づくりそのものです。
ICTを使わない判断は、
ICTを否定しているわけではありません。
選択しているだけです。
選択が共有されると、自由度が生まれる
もし「使わなかった理由」が共有されるようになったら、
教室の風景は少し変わるかもしれません。
・この場面では紙の方がよかった
・この活動では口頭が合っていた
・この単元では必要なかった
こうした言葉が並ぶと、
「使う/使わない」が対立ではなくなります。
どちらも選択になります。
そして選択が共有されると、
使うことも、使わないことも、
同じように考えられるようになります。
活用の前に必要なもの
ICT活用を進めるために必要なこと。
それは、使い方の工夫だけではないのかもしれません。
選択を言葉にできる環境。
使った理由も、使わなかった理由も、
同じように共有できる状態。
そのとき初めて、
ICTは「使うもの」ではなく、
選べるものになるのかもしれません。
そして、その状態をどうつくるのか。
問いは、まだ続いています。
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