若手に「背中で見せる」はもう限界なのかー見て学ぶは本当に機能しているかー

教育を考える
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見て学ぶ


「まずは見て覚えて。」

学校の中で、長く使われてきた言葉です。
授業づくり、学級経営、保護者対応。
経験から学ぶことは確かに多くあります。

それでも最近、この言葉に少し立ち止まることがあります。
本当に「見て学ぶ」は機能しているのでしょうか。

「背中で見せる」が成立していた前提


この言葉が成立していたのには理由があります。

・同じ職員室で過ごす時間が長かった
・放課後に授業の話をする余裕があった
・行事準備を一緒に進める時間があった

日常の中に、観察できる時間がありました。
仕事のプロセスが自然に見える環境がありました。

つまり「見て学ぶ」は、
見える時間があることが前提だったのです。

見える時間が減っている


今の学校では、その前提が大きく変わっています。

・放課後の時間が短くなった
・働き方改革で早く帰るようになった
・業務が細分化され、個別に進むことが増えた

同じ職員室にいても、
それぞれが自分の業務に集中しています。

忙しさは増え、余白は減りました。

その結果、
見る機会そのものが減っているのかもしれません。

見えない仕事が増えた


もう一つの変化があります。
仕事の中身そのものが変わりました。

・データ入力
・オンライン対応
・個別の教材準備
・ICT関連の設定や管理

これらは画面の中で進みます。
外からは見えにくい仕事です。

かつては目に入っていた仕事が、
今は見えにくくなっています。

背中を見ようとしても、
そもそも見えないのです。

暗黙知が増えている


授業づくりや学級経営には、
言葉にしにくい判断が多くあります。

・声かけのタイミング
・板書の順序
・指示の出し方
・場面の切り替え

これらは経験とともに身につきます。
そして、説明されないまま蓄積されます。

これが「暗黙知」です。

以前は、近くで見ることで伝わっていた暗黙知。
しかし見る機会が減ると、
暗黙知はそのまま残ります。

若手が「分からない」と言いにくい構造


若手の先生は多くのことを学ぼうとしています。
けれど、何が分からないのか分からない状態もあります。

・何を聞けばよいのか分からない
・どこまで聞いてよいのか分からない
・忙しそうで声をかけにくい

見えない。
聞きにくい。
時間がない。

この三つが重なると、
「背中で見せる」は機能しにくくなります。

「背中で見せる」を否定する話ではない


ここで大切なのは、
「背中で見せる」が悪いという話ではないことです。

経験から学ぶことは今も大切です。
観察から気づくことも多くあります。

ただ、前提が変わったのかもしれません。

見える時間があった時代の方法が、
そのままでは機能しにくくなっている。

それだけのことかもしれません。

必要になっているもの


もし見える時間が減っているなら、
別の方法が必要になります。

・言葉にする
・共有する
・意図を説明する

暗黙知を少しずつ言葉にする。
経験を共有する。

「背中」だけでなく、
言葉が必要になっているのかもしれません。

問いは続く


では、どこまで言葉にすればよいのでしょうか。
何を共有すればよいのでしょうか。

すぐに答えは出ません。
けれど、問いは確かに生まれています。

学校の文化が変わりつつある今、
経験の伝え方もまた変わるのかもしれません。

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一つの問いから、また別の問いが生まれていきます。
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