生成AI
「Geminiを学校で使ってみたいけれど、何から始めればいい?」
「生成AIを校務に使いたいけれど、具体的な活用方法が分からない」
「授業でもGeminiを使ってみたいけれど、単なる文章生成だけでは物足りない……」
そんな先生に注目してほしいのが、山本康太先生の『いちばんやさしい 先生が校務に使えるGeminiの教本 人気講師が教える多彩なアウトプットと効率化』です。
本書は、2026年7月にインプレスから発売された、学校現場でのGemini活用に特化した実践ガイド。
特徴的なのは、「文章を生成するAI」としてGeminiを紹介するだけではないことです。
本書では、
- Geminiの基本操作
- 生成AIへの相談
- 校務の効率化
- GemによるカスタムAI
- Canvas
- Storybook
- インタラクティブ教材
- 児童・生徒のAI活用
まで、Geminiを使った多彩なアウトプットが紹介されています。
つまり、この本は、
「Geminiで文章を作る方法」を学ぶ本ではなく、「学校の仕事と学びをGeminiでどう変えるか」を考える本
だと感じました。
ー 信頼できる教育書のみ厳選しています。ー
『先生が校務に使えるGeminiの教本』とは?
『いちばんやさしい 先生が校務に使えるGeminiの教本』は、東京都公立中学校の主任教諭である山本康太先生が著した教員向けのGemini活用本です。
著者は、2013年から公立中学校で勤務し、ICTや生成AIを活用した授業実践を積極的に行っている先生です。
また、マイクロソフト認定教育イノベーター(MIEE)やミライシードDXエデュケーターなどとしても活動しています。
そのため、本書は「AIの専門家が教育について語る本」というより、
学校現場を知っている教員が、実際の仕事や授業でGeminiをどう使うか
という視点から書かれている点が大きな魅力です。
この本の最大の特徴|「校務」だけで終わらない
タイトルには、
「先生が校務に使えるGemini」
とあります。
そのため、最初は「校務効率化の本なのかな?」と思うかもしれません。
もちろん、校務での活用は本書の大きな柱です。
しかし、実際の目次を見ると、その先までかなり広がっています。
本書は、
- Geminiの基本
- Geminiを使ってみる
- 相談相手として使う
- 校務を効率化する
- GemでカスタムAIを作る
- CanvasとStorybookを使う
- インタラクティブ教材を作る
- 生徒とAIを活用する
という8章構成です。
ここが、この本の面白いところです。
「先生がAIを使う」→「AIを使って教材をつくる」→「子どももAIを活用する」
というところまで、一冊の中でつながっています。
本書の全体構成
■ 第1章|まずはGeminiの基本を知る
最初最初は、生成AIを使う上で必要な基本からスタートします。
「生成AIって何となく分かるけれど、実際にはあまり使ったことがない」
という先生でも入りやすい構成です。
ここで大切なのは、いきなり高度なプロンプトを覚えようとしないこと。
まずは、
「Geminiに相談する」
という感覚を身につけることから始められます。
生成AIを使い始めると、
「どんなプロンプトを書けばいいんだろう?」
と考えてしまいがちです。
しかし、最初から完璧な指示文を作る必要はありません。
自分の状況を伝え、
「こういうことで困っています」
「こういう授業を考えています」
と相談してみる。
本書は、そんなGeminiとの付き合い方を段階的に学ぶ入口になっています。
■ 第2章|Geminiを「相談相手」にする
第2章に個人的に、先生にとって非常に使いやすいと感じるのが、この部分です。
第3章では、
「相談相手になってもらおう」
というテーマが設定されています。
これは、生成AIを活用する上でかなり重要な考え方です。
例えば教師の仕事では、
- 授業のアイデアを考える
- 子どものつまずきを整理する
- 学級経営について考える
- 文章を推敲する
- 行事のアイデアを出す
- 保護者への伝え方を考える
など、「誰かにちょっと相談したい」仕事がたくさんあります。
そうした場面でGeminiを、
「答えを出してくれる機械」ではなく「一緒に考えてくれる相手」
として使う。
この発想は、生成AIを日常的に使う上で非常に重要だと思います。
■ 第4章|校務を効率化する
そして、この本のタイトルにも直結するのが第4章です。
テーマは、
「校務を効率化しよう」
です。
学校には、授業以外にも大量の仕事があります。
例えば、
- 文書作成
- お知らせ
- 会議関係
- 研修
- 報告
- 情報整理
- 保護者対応
- 学校内の情報共有
など。
ここでGeminiを活用することで、
「ゼロから作る」時間を減らす
という使い方ができます。
もちろん、AIが作ったものをそのまま使えばよいという話ではありません。
教師が内容を確認し、学校や子どもの実態に合わせて修正する。
その前提で、
「たたき台を作る時間をAIに任せる」
という考え方が、校務効率化では重要です。
Geminiを「文章生成」だけで使わないのがポイント
ここからが本書の面白いところです。
生成AIというと、
「文章を書いてもらう」
という使い方をイメージする先生が多いと思います。
しかし、本書ではそこから先に進みます。
第5章|Gemで「自分専用のAI」をつくる
第5章では、
「GemでカスタムAIを作ろう」
というテーマが扱われています。
Gemは、Gemini上で特定の目的に合わせてカスタマイズしたAIを作るための機能です。
例えば、
「学級通信の文章を考えるAI」
「授業のアイデアを出すAI」
「児童の振り返りを整理するAI」
など、自分の仕事に合わせた使い方を考えられます。
ここまで来ると、
「毎回Geminiに指示を書く」
という段階から、
「自分の仕事に合わせたAIを用意しておく」
という段階に進めます。
これは、日常的に生成AIを使う先生にとって非常に大きな違いです。
第6章|CanvasとStorybookでアウトプットを広げる
さらに本書では、
CanvasとStorybook
も扱われています。
第6章のテーマは、
「CanvasとStorybookを使ってみよう」
です。
ここが、一般的な「生成AI活用本」と少し違うところです。
AIに文章を書かせるだけではなく、
AIとの対話から、より具体的な成果物へつなげていく
ことができます。
学校現場で考えると、
- 教材
- 授業資料
- 説明資料
- 子ども向けコンテンツ
- 学習活動
など、アウトプットの幅が広がります。
第7章|インタラクティブな教材をつくる
そして、さらに一歩進んだ内容として、
「インタラクティブな教材作りをしよう」
という章があります。
ここは、ICT活用や授業づくりに関心のある先生にはかなり気になるところではないでしょうか。
従来の教材づくりでは、
「教師が教材を作る」
という発想が中心でした。
しかし生成AIを活用することで、
「こういう学習をさせたい」→「それをAIと一緒に形にする」
という教材開発の可能性が広がります。
AIを使って教材のアイデアを出すだけでなく、
実際の学習活動につながるアウトプットを作る
というところまで視野に入っているのが、本書の特徴です。
第8章|「先生が使うAI」から「子どもが使うAI」へ
そして最後の第8章が、
「生徒とAIを活用しよう」
です。
ここが、本書を単なる「教員の仕事効率化本」にしていない大きなポイントだと思います。
先生がGeminiを使って、
「仕事が速くなった」
だけではありません。
その先に、
「では、子どもたちはAIとどう関わるのか?」
という問いがあります。
生成AIが学校現場に入ってくる以上、
教師自身がAIを使えるようになることと同時に、
- どのように使わせるのか
- 何を考えさせるのか
- どこまで任せるのか
- AIの出力をどう吟味するのか
といった情報活用能力の育成も重要になります。
その意味で、最後に「生徒とAIを活用しよう」という章が置かれているのは、本書全体の流れとしても納得できます。
この本を読んで感じた「3段階」のGemini活用
本書の構成を見ていくと、Geminiの活用が大きく3段階に広がっていることが分かります。
STEP1|自分の仕事を助けてもらう
まずは、
「自分の仕事を効率化する」
段階。
校務のたたき台を作ったり、考えを整理したり、相談相手になってもらったりします。
↓
STEP2|AIを使って成果物をつくる
次に、
「AIと一緒に教材やコンテンツをつくる」
段階。
Gem、Canvas、Storybook、インタラクティブ教材などがここにつながります。
↓
STEP3|子どもの学びにAIを生かす
そして、
「子ども自身がAIと関わる」
段階へ。
この3段階を一冊で見ることができるのが、本書の面白さです。
【まずチェック】Amazonで価格・在庫を見る
こんな先生におすすめ
① Geminiを使ってみたいけれど、何から始めればいいか分からない先生
「生成AIが便利なのは知っているけれど、使い方が分からない」
という先生には、かなり入りやすい本です。
タイトル通り「いちばんやさしい」構成からスタートできるため、AI初心者の入口として使いやすいでしょう。
② 校務を少しでも効率化したい先生
特に、
「文章を一から作る時間を減らしたい」
という先生にはおすすめです。
AIに丸投げするのではなく、たたき台を作らせる。
そこから教師が修正する。
この使い方なら、日常の校務にも取り入れやすくなります。
③ Geminiを授業でも使ってみたい先生
本書は校務だけではありません。
Canvas、Storybook、インタラクティブ教材、生徒とのAI活用まで扱っています。
そのため、
「Geminiを授業づくりにも活用したい」
という先生にも向いています。
④ Googleを学校で使っている先生
本書はGoogleのGeminiを中心に扱っているため、
Google Workspaceを学校で使っている先生との相性が特に良いでしょう。
普段からGoogleのサービスを使っているなら、
「今ある環境にGeminiをどう組み込むか」
という視点で読むことができます。
⑤ 生成AIを「自分だけのツール」にしたい先生
Gemの章は特に注目です。
「Geminiに毎回同じ説明をする」のではなく、
自分の仕事に合わせたAIをつくる
という発想を知ることができます。
AIを日常的に使い始めた先生が、次のステップへ進むための内容としても面白いでしょう。
この本を読むなら「全部覚えよう」としないのがおすすめ
この本は208ページあります。
そのため、
「最初から全部覚えなければ」
と考える必要はありません。
むしろ、
「今、自分が一番困っている仕事は何か?」
から逆引きして読むのがおすすめです。
例えば、
校務を効率化したい
→ 第4章
Geminiをもっと上手に使いたい
→ 第1~3章
自分専用のAIを作りたい
→ 第5章
教材をつくりたい
→ 第6~7章
子どもとAIを使いたい
→ 第8章
という読み方ができます。
一冊を「教科書」として最初から読むというより、
必要なところから開いて、実際にGeminiを操作してみる
という使い方が合っている本だと思います。
『先生が校務に使えるGeminiの教本』を読んで考えたいこと
この本を通して考えたいのは、
「Geminiで何ができるか?」だけではありません。
むしろ、
「教師の仕事のどこをAIに任せ、どこを教師自身が担うのか?」
ということではないでしょうか。
例えば、
文章の下書きはAIに任せられる。
アイデアの整理もAIに相談できる。
教材のたたき台もAIと一緒につくれる。
しかし、
「この子にとって、この教材でいいのか」
「この文章を保護者に伝えていいのか」
「このAIの回答は本当に正しいのか」
という最終的な判断は、教師の仕事です。
だからこそ、生成AIを活用すればするほど、
教師が本当に時間をかけるべき仕事は何なのか
が見えてきます。
あわせて読みたい関連記事
👇 他の授業改善に役立つおすすめ記事はこちら
他の書籍も気になる方はここからチェック☝️
まとめ|Geminiを「便利なAI」から「仕事と学びの相棒」へ
『いちばんやさしい 先生が校務に使えるGeminiの教本 人気講師が教える多彩なアウトプットと効率化』は、Geminiの基本操作だけを解説した本ではありません。
本書では、
- Geminiの基本
- AIへの相談
- 校務効率化
- GemによるカスタムAI
- Canvas
- Storybook
- インタラクティブ教材
- 子どものAI活用
まで、学校現場でのGemini活用を段階的に広げています。
特におすすめしたいのは、
「AIを使って仕事を楽にしたい」
だけでなく、
「AIを使って、教師の仕事や子どもの学びを少し変えてみたい」
と考えている先生です。
生成AIを使うこと自体が目的になってしまうと、結局「便利になった」で終わってしまいます。
そうではなく、
AIに任せられる仕事は任せる。
その分、教師にしかできない仕事に時間を使う。
そして、子ども自身のAI活用にもつなげていく。
そんなAI活用を考えるための入口として、本書はかなり実践的な一冊だと思います。
📖 書籍情報
書籍名:『いちばんやさしい 先生が校務に使えるGeminiの教本 人気講師が教える多彩なアウトプットと効率化』
著者:**山本康太
出版社:**インプレス
刊行:**2026年7月24日
ページ数:**208ページ
ISBN-13:**978-4-295-02475-0




コメント