DXを実際の授業から
「個別最適な学び」と「協働的な学び」を、実際の授業でどう実現すればいいのか。
一人一台端末やクラウド、生成AIなど、学校現場のICT環境が整ってきた一方で、「ICTを使うこと」と「学びが変わること」は同じではありません。
そんな問いを考える上で参考になるのが、山本朋弘著『AI時代の個別最適な学びと協働的な学びをつくる 教育DX活用ガイド』です。
本書では、教育DXの基本的な考え方から、個別最適な学び、自己調整学習、協働学習、クラウド活用、探究・STEAM、AIの教育利用まで、これからの授業づくりを具体的な実践事例とともに考えることができます。
この記事では、本書の内容と特徴を整理しながら、どんな先生におすすめなのかを教員目線でレビューします。
ー 信頼できる教育書のみ厳選しています。ー
『教育DX活用ガイド』とは?
本書を一言で表すなら、
「教育DXを使って、子どもが自ら学ぶ授業へ転換するための実践ガイド」
です。
本書の特徴は、ICTの便利な使い方を紹介するだけではないこと。
生成AI時代に必要となる「自立した学習者」を育てるために、教師がどのように支援・介入するのかという視点から教育DXを捉えています。
本書の全体構成
本書は大きく5つのChapterから構成されています。
Chapter1 AI時代の教育DX
教育DXとは何か、これまでの教育の情報化からどのように変化してきたのかを整理します。
単にICT機器を導入することではなく、教育そのものをどう変えていくのかという視点から教育DXを考えます。
Chapter2 個別最適な学びと自己調整学習
本書の中心となる内容の一つです。
個別最適な学び、自己調整学習、自由進度学習について整理した上で、
- 学習プランニングシート
- 学習計画表
- スタディログ
- 自己選択・自己決定
- 複線型授業
など、具体的な実践事例が紹介されています。
Chapter3 協働学習とクラウド活用
クラウドを活用して、
- 他者参照
- 意見の可視化
- 協働制作
- 思考ツールの共有
などを行う実践が紹介されています。
「個別最適な学び」と「協働的な学び」を別々に考えるのではなく、両者をどうつなぐかという視点が重要です。
Chapter4 探究のSTEAM化
探究学習やプロジェクト型学習を、STEAMの視点から考えます。
ICTを活用して調べたりまとめたりするだけではなく、子どもが課題を設定し、試行錯誤しながら学ぶ探究へつなげていく章です。
Chapter5 AIの教育利用の未来
最後はAIの教育利用。
識別型AIから生成型AIまで、その活用の方向性を整理し、AI時代の教育について考えます。
のCanva活用を進めたい先生にも参考になる内容です。
本書の特徴
① 「ICT活用」ではなく「学びの変化」が中心
本書で最も印象的なのは、教育DXを「ICTを使うこと」で終わらせていない点です。
目指しているのは、
教師が教える授業から、子どもが自ら学ぶ授業への転換。
そのためにICTやクラウド、AIをどう位置付けるのかを考えています。
「タブレットで何をさせよう?」と考えるのではなく、
「子どもが自分で学ぶために、ICTをどう使えるか?」
という順番で考えられる本です。
② 個別最適な学びと協働的な学びを「つなぐ」
個別最適な学びでは、子どもが自分のペースや方法で学びます。
一方、協働的な学びでは、他者との関わりから考えを深めます。
本書では、この2つを別々の学習形態として扱うのではなく、クラウドなどを活用しながら**「個で学ぶこと」と「他者と学ぶこと」をつなぐ**視点が示されています。
これは、一人一台端末を活用した授業を考える上で、非常に重要な視点だと感じます。
③ 実践事例があるから授業をイメージしやすい
理論だけで終わらず、小学校での具体的な実践事例が掲載されています。
例えば、
- 国語の学習プランニング
- 体育の学習計画
- 理科の複線型授業
- 社会での自己選択・自己決定
- クラウドを活用した意見交流
などです。
「考え方は分かった。でも、実際の授業ではどうするの?」
という先生にとって、実践へつなげるヒントになります。のが本書の魅力です。
読んで特に印象に残ったこと
本書を読んで感じるのは、教育DXの主役はICTではなく、子どもだということです。
ICTを導入すると、
「一人一台端末をどう使うか」
「どのアプリを使うか」
に意識が向きがちです。
しかし、本当に考えるべきなのは、
「そのICTによって、子どもの学び方はどう変わるのか」
ということ。
本書は、個別最適な学びや自己調整学習、協働的な学び、探究、AI活用を通して、その問いを考えさせてくれます。
特に、これからの教師には「教える人」だけでなく、子どもの学びを支えるコーディネーターや伴走者としての役割が求められるという考え方は、本書全体を貫く重要なテーマです。
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こんな先生におすすめ
本書は、特に次のような先生におすすめです。
- 個別最適な学びを授業に取り入れたい
- 協働的な学びとのつなぎ方を知りたい
- 自由進度学習や複線型授業に興味がある
- クラウドを授業で活用したい
- 教育DXについて整理して学びたい
- 生成AI時代の授業づくりを考えたい
- 「教師が教える授業」から一歩進みたい
特に、一人一台端末を導入したものの、授業そのものをどう変えていけばいいのか悩んでいる先生にはおすすめです。
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まとめ|教育DXの目的は「ICTを使うこと」ではない
『AI時代の個別最適な学びと協働的な学びをつくる 教育DX活用ガイド』は、
教育DXの考え方と、これからの授業づくりを具体的な実践から考えられる一冊です。
個別最適な学び、自己調整学習、協働的な学び、クラウド活用、探究・STEAM、AI活用まで幅広く扱っています。
何より大切なのは、
「ICTをどう使うか」ではなく、「ICTによって子どもの学びをどう変えるか」。
この視点を持って教育DXを考えたい先生には、ぜひ読んでほしい一冊です。Canva本です。
📖 書籍情報
書籍名:AI時代の個別最適な学びと協働的な学びをつくる 教育DX活用ガイド
著者:山本朋弘
出版社:**明治図書
刊行:**2012日
ページ数:**118ページ
ISBN-13:**978-4181093204




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